更新日:2017/11/15

犬への手作り食で起きる4つのトラブル

犬の手作り食によるトラブル

「かわいいうちのワンちゃんには安全な食材を選んで、添加物を使わずに作る手作り食を与えたい!」

 

そんな気持ちで毎日食事を用意される飼い主さまもいらっしゃいますが、残念ながら中には体調を崩してしまう危険性もあります。

 

手作り食を与えたら下痢をした
下痢をするときの多い原因

犬の手作り食に潜む危険性 下痢をしてしまう

  • 牛乳など犬が消化吸収しづらい材料を使っている。
  • スパイスなど刺激物が含まれている。
  • 脂肪が多すぎる。

他には今まで与えていたドッグフードを突然やめて、手作り食だけを与えるとお腹の中の腸内細菌などが食事の変化についていけなくて下痢をする場合もあります。

 

毛づやが良くない
毛づやが悪くなる原因
  • タンパク質が足りないまたはタンパク質の質が良くない。
  • 脂肪が足りない。
  • 亜鉛やビタミンなどが足りない。
  • 食事量が少ない。

健康な被毛を作るためには材料になるタンパク質が欠かせません。また、体重を減らすために脂肪分の少なすぎる食事を与えると、被毛や体にとって必要な必須脂肪酸が十分とれず毛づやも悪くなります。

 

脂肪は減量の敵のように思われるかもしれませんが、オメガ3脂肪酸やオメガ6脂肪酸を多く含む良質の油を取ることは大切です。

 

便の量が多い

消化率の低い材料を多く使っていませんか?野菜や穀物を多く使うと便の量は多くなります。また肉を多く使うと便のにおいは強くなる傾向にあります。

 

子犬の育ちが悪い

 

個人的には生後1年くらいまでの成長期のわんちゃんには手作り食はお勧めしません。

 

以前にお見かけした若いバーニーズの男の子は、もうすぐ1歳になるというのに同年代のバーニーズよりも二回りくらい小さい印象でした。歩き方もぎこちなく、本来まっすぐであるはずの足の骨がゆるくカーブを描くように変形していました。

 

この飼い主さまはどなたかから「犬にはドッグフードを与えてはいけない、肉を与えたほうが良い。」と言われたことを信じて毎日お肉を主食として与えていたけれど育ちが悪いのでカルシウムの粉末もたっぷり混ぜていたということです。

 

成犬はもちろんのこと成長期の子犬も肉だけの食事では体が必要としている栄養素を十分に摂ることができません。

 

それに加えて、このワンちゃんは成長期にカルシウムを過剰に与えたことによって骨の成長が邪魔されたうえに変形してしまいました。もう元に戻すことはできません。

 

手作り食を与えたい方へ

一般の飼い主さまが入手可能な手作り食のレシピの8割以上は、犬にとって必要な栄養バランスを満たしていないと言われています。

 

「この食事を与え続けても健康面では問題がないのか?」

「犬にとって必要な栄養が摂れるように計算されたレシピなのか?」

 

この2点をしっかりと確認してください。

 

確認の仕方が分からない時はペットの食事について詳しい獣医師などの専門家に相談することをお勧めします。

 

なぜ、手作り食が人気なのか?

犬の手作り食のレシピ本

実際には市販の食事を与えている方が圧倒的に多いのにもかかわらず、なぜ手作り食のレシピ本は人気があるのでしょうか?

 

いろいろな飼い主様にお話を聞いてみると、次のような理由が多く聞かれました。

 

「手間をかけて作ってあげることが楽しい。」

「自分で安全な材料を選んで与えることができるから。」

 

犬の体に合った栄養バランス、カロリーになるよう計算し素材を吟味してから調理をする。

 

これを毎日楽しみながら続けることができる環境は、飼い主様にとってもワンちゃんにとっても恵まれた環境と言えるかもしれません。しかし、毎日手作りの食事を用意することは難しいものです。

手作り食を与えている割合は?

では実際に毎日の食事に手作り食を実践している方はどのくらいいらっしゃるのでしょうか?ペットフード協会の調べによると、手作りの食事を主食として与えている世帯は0.8%と実状はとても少ないそうです。

 

反対に一番多いのがドライフードで53.5%、ウェットタイプが0.8%、半生タイプが2.5%と続きます。

 

美しく食器に盛り付けられた手作り食を勢いよく平らげるワンちゃんの写真を見れば、「作ってあげたい!」という気持ちにもなりますよね。

 

家族同様に思っているなら食事も同じように手作りしてあげないといけないと一度は考えられる方も多いようです。

 

ドッグフードを勧める理由

ドッグフードをすすめる理由

しかし手作りの食事を用意できないからと言って、ペットへの愛情が足りないと申し訳なく思う必要はありません。

 

市販のドッグフードの中にも安全な材料を使ったものや合成保存料無添加のものがあります。

 

それにドッグフードであれば、もしもあなたが旅行や仕事で留守にしていてもワンちゃんは簡単にいつもと同じ食事を他の方からもらうことができます。

 

何よりワンちゃんにとっても、大好きな飼い主様が台所にひきこもって食事作りに時間をかけているよりも、その時間を利用してたくさん遊んでくれるほうが嬉しいのではないでしょうか?

家族でも食事は別々に

犬も人間も雑食ですが、犬は人間よりもタンパク質やビタミンを多く必要としています。人間にとって良くても、犬にとっては栄養バランスの悪い食事になってしまいます。

 

健康で楽しい時間を長く一緒に過ごせるように、犬には栄養バランスの良いドッグフードを選んであげてください。

 

犬と人間の栄養バランスの違い

成犬と成人の食事の栄養素量を比較するとかなりの差があることがわかります。それぞれの理想的な食事100kcalあたりに含まれる栄養素の量を比べてみました。

 

犬の方が多く必要とする栄養素の例
  • タンパク質‥1.9倍
  • リン‥4.8倍
  • カルシウム‥6.3倍
  • 亜鉛‥7.5倍
  • 鉄‥4.8倍
  • ビタミンB12‥6.0倍

 

犬の方が少ない方がいい栄養素の例

食塩‥0.1倍

 

ビタミンCは人間では必要ですが、犬は体内で合成することができるので必要ありません。

 

人間の食事を与えると思わぬトラブルも‥

人間の食事を与えるとトラブルに

犬は人間よりもカルシウムやリンを多く必要としていますが、人間の食事ではカルシウムが少なくリンの割合が高いものが多いので気をつけましょう。

 

カルシウムとリンは食事中に含まれている量だけでなくバランスも大切です。リンとカルシウムのバランスが悪い食事を続けると骨がもろくなることもあります。

 

特に犬の大好物の肉にはリンが多く含まれますがバランスが悪いので主食では足りません。

 

また食塩に含まれるナトリウムも犬にとっては必要な栄養素ですが、一般的な人間の食事には犬が必要としている量よりも多く含まれています。

 

食塩を摂りすぎると腎臓に負担をかけるので気をつけましょう。