更新日:2017/10/16

犬の膿皮症

Q: 10歳のヨークシャテリアの男の子です。8歳ごろから皮膚に発疹ができるようになりました。

 

背中やお腹に赤い発疹ができて、それが潰れるとかさぶたになり、治るを繰り返していました。最近急に発疹がたくさんでき皮膚が黒くなってきました。痒いのかいつも掻いたりなめたりしています。心配なので動物病院を受診し「膿皮症」と診断されました。シャンプーをしたり内服薬も飲んでいますが、良くなったり悪くなったりの繰り返しで皮膚がだんだん黒ずんできます。このまま内服薬を飲んでいて本当に良くなるのでしょうか?

 

A: 膿皮症は比較的多い細菌性皮膚炎の一種です。

 

こじれてしまうと非常に治りにくく長期にわたる治療が必要になってきます。

 

膿皮症の原因

ブドウ球菌や連鎖球菌などの、皮膚の常在菌(皮膚表面に常に付着している細菌)です。この細菌が、何らかの原因で皮膚の抵抗力が落ちてしまったときに皮膚の中に侵入します。侵入した細菌が毒素を放出することで、発疹ができます。発疹の中心部に膿をもつので「膿皮症」と呼ばれます。発疹が破れて膿が周りに散ることで、広がっていきます。

 

膿皮症でリング状のかさぶたのことを「皮膚小環」と言います。炎症が強かった場合は、皮膚小環の部分に色素が集まり黒ずんでしまいます。早く治してあげると炎症が早く落ち着き色素沈着を多少なりとも防ぐことができます。

 

膿皮症の治療方法
  1. 適切な抗生剤をしっかり飲ませる。
  2. 殺菌成分の入ったシャンプーを使い週に1回洗う。

 

抗生剤の飲み忘れはあったり、良くなってきたらお薬を勝手にやめたり、飲んだり、飲まなかったりになっていませんか?抗生物質は飲むと吸収されて血液中を流れます。抗生物質がしっかり効くためにはある程度の濃度が必要です。この濃度以上でないといくら薬を飲んでも細菌を殺すことができず、また細菌が増えてしまいます。これが膿皮症が治らず再発を繰り返す原因の一つになっています。

 

抗生剤が原因になる細菌にあっていない

治りが悪く再発する理由のもう一つとしてこの原因が意外に多いです。まず最初に、原因になる細菌に市場あった抗生剤を選ぶために「感受性テスト」をしたほうが良いでしょう。抗生剤はどんな細菌にも効くわけではなく、細菌によって違います。

 

また、抗生剤の使い過ぎで薬が効かなくなった「薬剤耐性菌」もあります。合わない抗生剤(効かない抗生剤)をずっと使っても細菌の繁殖は止まりません。かえって「薬剤耐性菌」を生み出すだけになります。

 

皮膚コンディションが悪い犬をシャンプーする時のコツ
  1. 皮膚の悪いところから洗い始め、シャンプー中の薬効成分を皮膚にしみ込ませる。
  2. こすらない、かさぶたをめくらない
  3. 皮膚をなでるように洗う
  4. シャワーはぬるめ
  5. ドライヤーは低めの温度設定で少し離して乾かす

 

シャンプーでの治療方法ですが、ゴシゴシ洗っていないですか?ワンちゃんたちの薬用シャンプーは泡がそれほどたちません。薬用シャンプーは泡立てて汚れを落とすことを目的とせず、シャンプーに含まれている薬の成分を皮膚にしみ込ませるのが目的です。

 

また、ワンちゃんの肌のpHとヒトの肌のpHは違います。ワンちゃんは弱アルカリ性でヒトは弱酸性なんですね。全く反対なので、ヒトのシャンプーや市販のワンちゃん用のシャンプーで「弱酸性」と表記のあるものは、使うほど皮膚を痛めます。

 

かかりやすい犬種:特になし
なりやすい時期:生後3カ月から
なりやすい傾向・特徴: アレルギー、梅雨の時期、夏、暖房が入り乾燥肌になりやすい時期