更新日:2017/12/12

犬の乳腺腫瘍

Q: ワンちゃんのおっぱいが石のように固くなってます。乳腺腫瘍かもしれないと知人に言われました。

 

14歳になるマルチーズの女の子です。先日、お腹を上にして寝ている時にお腹に何かできていることに気付きました。触りましたが、特に痛がる様子はありません。石の様にかたくゴツゴツしています。他にないかと良く触ってみたら別の場所にもっと小さいものがありました。避妊手術はしていません。今後どうすればよいでしょうか? 高齢なので心配です。

 

A: 避妊手術をしていない女の子なら乳腺腫瘍の可能性が高いです。

 

乳腺腫瘍は避妊していない女の子が高齢になった時に発生しやすい腫瘍です。また、犬の腫瘍の中でも発生率が高いものになります。初回発情が来るまでに避妊手術をしている場合はほとんど心配はありませんが、発情を3回迎えた後に避妊手術をしても乳腺腫瘍になる確率は高いといわれています。早めにかかりつけの動物病院を受診してください。

乳腺腫瘍の診断
  1. 触診(実際に腫瘍に触ってできている場所などと合わせて確認します。乳腺組織上にできていることがほとんどです。)
  2. 細胞診(腫瘍に注射針を刺し腫瘍内の細胞を採取し顕微鏡で観察します。)
  3. レントゲン検査(肺に転移がないか確認をします。)
  4. 血液検査(実際に手術を希望の場合は血液検査を行い麻酔をかけても大丈夫か確認します。)

犬の乳腺は左右対称に5〜7対あります。乳腺腫瘍の発生原因はよくわかっていないのですが、女性ホルモンの影響や遺伝が関係しているといわれています。女性ホルモンが影響する可能性が高いので、できるだけ早く避妊手術を行う方が良いです。

 

わんちゃんの乳腺腫瘍の特徴

発生率は、女の子の全腫瘍中52%と言われています。これは、ヒトの乳腺腫瘍の3倍の発生率ですので、かなり多いです。犬の乳腺腫瘍の50%は良性で、50%は悪性です。ただしこれは外見では分かりません。手術で取り除いた腫瘍を病理検査すれば悪性か良性の判別がつきます。

 

良性の場合は手術で摘出すれば治ります。悪性の場合は半分が手術摘出で治りますが、半分は転移する確率が高いものになります。転移する確率が高いものは摘出手術後に抗ガン剤を投与した方が良いでしょう。

 

乳腺腫瘍の手術の方法

【部分切除】

腫瘍のある部分のみ切除します。

メリット

手術時間が短く、傷が小さい。

デメリット

乳腺自体は残るので再発が多く、病理組織検査で悪性の場合、再度周辺の乳腺を取りなおす必要がある。

 

【第1〜3乳腺摘出術、第3〜5乳腺摘出術、片側乳腺全摘出】

乳腺腫瘍ができている乳腺の部位と、リンパ管の流れを考えて摘出する方法。

メリット

リンパ管の流れを考慮に入れた切除方法なので、再発の確率が低い。

デメリット

手術時間と手術料金がかかるり、2〜4日間程度の入院が必要。

 

乳腺腫瘍の発生率は避妊手術の時期に大きく左右されます。高齢になってからの発生が圧倒的に多いので、麻酔のリスクも高くなります。避妊手術をするかしないかはメリットとデメリットをしっかり検討して決めてあげてください。

 

また、赤ちゃんを1回産んでから避妊手術をした方が良いと言う意見もありますが、あまり関連性はありません。急激に大きくなるようであれば、悪性の可能性が高いので早めの手術をお勧めします。