更新日:2017/10/16

犬の角膜腫瘍

Q: 4歳の男の子のシー・ズーが急に目をショボショボさせるようになりました。

 

朝は問題なかったのですが、仕事から帰ってきたらまぶしそうに目を細め、涙がたくさん出ていました。涙を拭こうとすると嫌がって拭かせてくれません。元気も食欲もいつもよりありません。以前から、涙やけがひどく動物病院で点眼薬をもらっているのでそれを点眼していたら良くなるでしょうか?それとも早目に動物病院に連れて行った方が良いでしょうか?

 

A: 角膜潰瘍の可能性が高いので、できるだけ早く動物病院を受診してください。

 

角膜は目の一番外にある膜ですが、傷ができるとかなりの痛みを伴い目が開けられないこともあります。早く治療を始めないと角膜が白く濁ってしまったり、最悪の場合は角膜に穴が開き目の構造が壊れて失明することもあります。

 

目の表面には角膜という薄い膜があります。透明な膜で何もないように見えますが神経が通っています。角膜に傷が入ると神経を傷つけるので激しい痛みが起こります。まずは動物病院でどこにどのような傷ができているのか確認するために検査を受けましょう。

診断方法

1.フルオルセイン染色液で傷の確認
2.検眼用の機器(スリットランプ)で傷の深さの確認

 

検査はまず目の表面に傷があるかどうかを確認することから始めます。そのためにフルオルセインという体に無害な染色液を目にたらします。すると、傷が入っている部分が黄緑色に染まります。を触るとあまりにも痛がる場合は眼科用の点眼麻酔薬で表面麻酔をかけます。

 

次にスリットランプを用いて傷の深さを確認します。深さを確認することで、目に穴が開く恐れがあるかどうかがわかります。傷が確認できたらこの傷を治療していきます。

治療方法

治療には「点眼薬」、「内服薬」、「手術」が用いられます。点眼薬は「傷を治す点眼薬」と「抗生物質の点眼薬」を使用することが多いです。痛みが激しい場合は鎮痛効果のある点眼薬を併用します。また、強結膜(しろめ)の充血が強く、また、目やにがひどく細菌感染が考えられる場合には、消炎剤や抗生物質の服用します。

 

手術が必要なケース
  1. 傷が深い
  2. 傷の範囲が広い
  3. すでに角膜に穴が開いている

結膜や瞬膜で傷をふさぐように覆う手術を行いますが、傷がふさがったころを見計らって結膜や瞬膜をはがします。角膜と結膜や瞬膜が強く癒着している部分は、はがしきることができなくなる場合もあります。

 

点眼する際に大事なポイント
  1. 点眼後目をこすったり、こすり付けるような動作がないかよく確認してください。どうしてもこする場合にはエリザベスカラーをつけましょう。
  2. 点眼後、あふれた目薬は必ずふき取ってください。目の周囲がただれる原因になります。
  3. 角膜潰瘍の際は点眼回数が多いほど早く治ります。
  4. 点眼薬が冷たすぎると刺激が強くなり嫌がる場合が多いので、少し暖めてからさしてください。
  5. 目を拭くときは目の上から下へ向かって、上まぶた閉じるように拭いてください。横方向へ拭くと新しい傷ができることが非常に多いですので気をつける。
  6. 点眼薬の使用期限は開封から2週間です。2週間たったらあまっていても新しい目薬に交換してください。

 

角膜潰瘍は治療開始が遅れると角膜がどんどん白く濁り、この濁りがそのまま残ってしまうことがあります。早く発見して適切な治療をすれば白濁がとれ透明な角膜に戻してあげることができます。まぶしそうにショボショボしていたらできるだけ早く動物病院を受診してくださいね。

 

かかりやすい犬種:短頭種(シ―・ズ―、ペキニーズ、パピヨン、パグ など)
なりやすい時期: 特になし
なりやすい傾向・特徴: 眼をこすりつける、草むらに入りたがる、眼が開けられない、眼やにが多い、眼が赤い など