更新日:2017/12/12

犬の真菌症

Q: ブラッシングをしたら背中と脇腹の毛がずぼっと抜け大きいハゲができました。

 

11歳になるミックスの男の子です。まとめて抜けたので慌てて皮膚を見ましたが、別に出血もなく少し肌がカサカサしている程度でした。痛がることもなく触っても平気です。あまりにも広い範囲で一気に毛が抜けたのでびっくりし、かかりつけの動物病院に連れて行ったら「真菌症」と言われ、塗り薬をもらました。なかなか毛が生えてこなくて、他の場所にも似たようなはげができました。このまま塗り薬でよいでしょうか? これはヒトにうつりますか?

 

A: 真菌症は若齢犬や高齢犬でよく見かける疾患です。

 

一気に毛が抜けてはげができます。かゆみはほとんどなく、細菌が二次感染し膿皮症などになればかゆみがひどくなります。まずは、真菌症なのか他の皮膚疾患なのかの鑑別をします。脱毛部周辺の毛を抜いて以下の方法で検査をします。

 

ワンちゃんの真菌症の中にはヒトに感染するものがあります。もしも、ヒトに感染した場合は赤いリング状の発疹ができかゆみを伴います。早めに皮膚科を受診し、ワンちゃんが真菌で治療中であることを必ず伝えてください。

 

診断方法

「顕微鏡で観察」もしくは「真菌用の寒天培地で病原性があるかないかを確認」します。しっかりと判断できるのは後者の方法です。

 

感染経路は?

真菌は2通りの感染経路が考えられます。ひとつは「自分の皮膚に付着している真菌が、免疫力の低下で感染する」か「真菌症の動物と接触」した場合です。もともと皮膚の上には細菌、真菌、マラセチアなどの微生物が付着しています。免疫力が強ければ、この微生物が悪い影響を及ぼすことはほとんどありません。

 

しかし、季節の変わり目や、寒暖差のはげしい時期、ほかに病気を患ったときなど、抵抗力が落ちた時に発症しやすくなるので注意が必要です。

 

真菌症の治療

  • 抗真菌薬を内服する
  • 塗り薬を塗る
  • シャンプーをする

上記を同時に行うと治りが速くなります。また、塗り薬を塗る場所ですが、脱毛の中心部に塗るのではなく脱毛部と発毛部の境界線に塗るのがコツです。真菌は、この境界線で最も盛んに繁殖しています。ですから、中心部に塗り薬をぬっても脱毛範囲はどんどん広がります。

 

完治するまでにおおよそ1カ月くらいかかりますが、脱毛していない場所で静かに進行している場合がありますのでしっかり観察してください。また、脱毛の中心部から発毛が確認でき、境界線の発赤が治まれば、ほぼ治癒したと考えますので、根気強く治療してください。

 

雑草のようにしつこい真菌症

真菌が感染すると皮膚表面で悪さをするだけでなく、皮膚の中に根を伸ばしていきます。雑草が広がっていく場合と同じイメージを持ってもらうと分かりやすいと思います。雑草を抜いても根が残っていればいつの間にか草がたくさん生えていますし、根を抜かない限りいたちごっこです。

 

真菌はこれと同じ仕組みで、根が残っている限りなかなか治らないという事が起こります。塗り薬だけではなかなか治らないのは根が残っているからなんですね。

 

かかりやすい犬種:全犬種
なりやすい時期:梅雨時期、夏
なりやすい傾向・特徴:抵抗力が落ちている時、若齢、高齢